知ラレザル業界ヲ、ディグル。
ロボットに携わる2人にインタビュー

雪田 : 「工場で働くアームがついた大きなロボットを思い浮かべてください」と言うと、なんとなく想像ができると思います。では、そのロボットが工場で動くまでどんな工程があるかイメージできるでしょうか？これはなかなか難しいかもしれません。工場で働く産業用ロボットは、スマホのように、買ってきて電源を入れたらすぐに使えるというものでもなく、ロボットが動き、人の役に立つようになるまで、たくさんの業種や職種の人たちが協力しているんです。

雪田 : ロボットをどのように使おうか？と企画して案件を取りまとめる人、周辺機器と合わせて機械設計する人、ハンドを作る人、電気や通信を担当する人、動きをプログラムする人などさまざまな人や企業が関わって一つのロボットに命が吹き込まれます。それを一社で完結することもあれば、複数の専門企業が関わっていることもあります。これからの時代、確実に必要とされるロボット業界。文系や理系、自分の得意不得意の垣根を超えて、携わる余地はまだまだたくさんあります。進路の選択肢の一つに入れてみてくださいね。ここまでは産業用ロボットの分野でご紹介してきましたが、ここからはコミュニケーションロボットの分野で実際に働いている先輩の様子をのぞいてみましょう！実際ニ、働ク人ニ、聞イテミタ。

iRooBOは、「技術」「人材」「情報」などが集まるロボットビジネス企業の団体です。「 不便の解消」「利便性の追求」「快適性の向上」など、世の中の “あったらいいな”や課題解消を、ロボットなど先端テクノロジーを活用した製品・サービスで実現することをめざしています

高岡 : 私が働くヴイストン株式会社は、ロボットを作る会社です。高等専門学校を2024年に卒業したばかりで入社して、まだ数ヶ月しか経っていないのですが、プログラミングをしたり、設計図や図面を描くソフトを使って、ロボットのデザインをするお仕事をしています。子どものときからとにかくものづくりが好きで、どうせ働くなら好きなことして働きたいなと思って、ロボット業界で働こうと決めました。でも、工場などで大きなロボットを使うお仕事は怪我などもすこし怖かったので、小さくて可愛いコミュニケーションロボットを作るお仕事がしたいと思っていまの会社に決めました。

高岡 : 私はたまたま理系でしたが、社内では文系出身の人も活躍しています。ロボット開発に関する知識は、学校などで体系的に学ぶ機会が少ないため、独学で試行錯誤しながらものづくりをしている人が多い印象です。それに、うちの会社は、作りたい！っていう企画を出したら、多くの場合作らせてもらっていると思います（笑）。そんな自由な感じの会社です。ロボットを作ることそのものももちろん楽しいですが、自分が開発に関わったものが、実際に介護の現場などで誰かの役に立っていることを聞いたりすると、それはもう言葉にならないくらい嬉しいです。